リアル店舗でロングテールだのリコメンドだの

ロングテールをリアルに実践〜九州に“凄い”ホームセンターがあった:日経ビジネスオンライン


九州地方に9店舗展開するホームセンターに関する記事。
チェーン展開のセオリーとは全く逆の方法論を唱え、
18万点以上の常時在庫の商品を創意工夫を凝らして陳列、
『あそこに行けば絶対にある』と
九州地方では消費者に絶大な支持を得るとのことだ。


確かに記事を読む限りそのディスプレイは圧巻、
あたかも日用雑貨のテーマパークの如く客の感心をひきつける工夫は素晴らしい。
まさに『リアル・ロングテール』と呼べるものなのかもしれないが、
正直言って、最後まで読んでも一向に、
『そこまでしてなんでネットでやんないの?』の疑問符が取れない。


自分も先日岐阜にあるショッピングセンターの中の
どでかいホームセンターを見てきたばかりなのだけど、
商品数も敷地面積も上の記事の店には及ばないと思うが、
だだっ広い店舗内を歩き回るのにまずもの凄い疲れるわけ。
その中で自分の欲しい商品を見つけるのって、客に取っては結構な労力だと思うの。
いくら上の記事の店が、高い位置に何があるかわかりやすくディスプレイされてるとはいっても、
カテゴライズすらしようもない細かい日用雑貨って無数にあると思うの。
たとえば流しのゴミ受け、とかさ、
ひたすらあるでしょそういうの。
そういった商品って結局すっごい探さなきゃいけない気がするんだけど、どうなのか。


記事読んでる限り陳列を改善するための策っていうのが相当スゴい感じで、
色のバリエーションの多い商品は光の波長が長い順で、
赤、黄、緑、青、紫と上から並べるとわかりやすい、とか、
実店舗の坪あたりの商品数を多さに対して見やすい工夫っていうのをものすごいしてるの。
それは別に素晴らしいことなんだけどさ、
そこまでしてもなお、ネット販売っていう発想はなかったのかな〜???って思っちゃう。
それだけの知恵があるんなら、
ネット販売における商品ページにおいても、革命的なことになるんじゃないのかと。


だって、この店に興味があっても、九州以外の人はなかなか行けないじゃん?
現実こうして全国に向けて記事として情報が発信されてるし。
それより何より、このデカい店舗かつ豊富な常時在庫っていうのは
ネット販売用の商品倉庫として活用しない手はないし、坪単価も確実に上がる。
世間におけるECは在庫商品を倉庫借りて置いてるとこが多いと思うし、
実店舗とEC、両方展開しちゃえば最強だと思うんだが、どうなの。


で、関連してこの記事。


Amazon化する図書館の挑戦「貸出履歴を利用した新しい利用者支援」: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる


おれ図書館とか殆ど行かないからよく実感がないけど、
まず記事の筆者は図書館のカウンターに並ぶ本に、『リアル・リコメンド』を見ている。
で、端末によるリコメンド実装に関してもどうやら進んでいるらしく、
かなりドリーミーな世界が現実として現れているらしいね。


ただ図書館という本の貸出をする場と、売り買いする店舗ではまた話が別で、
店舗における端末の設置のやり方というのは相当工夫がいるだろう。
はっきりいって店舗で端末見るより、
ネットで見た方が早いじゃん、っていうことなんだが。


そのへんは例えば、店舗独自のサイトでお客様専用ページを作って
そこに購入履歴からリコメンドを表示させてもいいが、
たとえばメールマガジンにおすすめ商品としてくっついてきたりとか。
レシートにおすすめ商品が何点か印刷されていたりとか。
おすすめ商品のみで固められたチラシ(というかDM)が送られてきたりとか。。。
ネットとは別のところでの展開が必要じゃないかと思う。


なんにしろAmazonに代表されるネット販売でのセオリーは
今後リアルでも活用されていくべきだと思うし、
自分的にも理想的な展開ではあると思うんだけど、どうよ。